ゲスト卓話

ゲスト卓話

山梨県人会連合会 会長 清水喜彦様

 現状は、不安定、不確実、不透明な時代に突入しています。今、景気は悪いです。平和の時は、経済が政治をグリップする。つまり、財政がしっかりしていれば、政治が安定する。有事になると、経済より政治が優先する。自国を、もしくは自分のポストを守るために、何でもありになる。今は、世界は、第一次世界大戦の直前の時代とほとんど同じ状態になっています。

 異常事態になって政治が経済よりも優先している中で、今の政治状態は、どうなっているのでしょうか。

 日本は、非常に弱い政権になっています。石破総理は、私の 1つ年下で、付き合いがありますが、彼はあまり経済通ではありません。経済通ではないけれども、総理大臣になってもらっている以上、しっかりやってもらわなければ困るという状況の中で、自民党は少数与党になっています。政権与党が、自分たちがやりたい、正しいと思ったことがなかなかできない状態になっています。

 世界の中心になっているのは、アメリカです。そのアメリカが非常にアンバランスな状態になっています。先月、国連 UNHCR 協会の関連でアメリカのネヴァダ、アリゾナを回っていてびっくりしました。日本の軽トラックが並んでいるのです。今、アメリカもガソリンが高いので、丈夫で壊れなくて、燃費の良い日本の中古の軽トラックが売れているそうです。マスコミが言っているアメリカの景気が良いというのは、半分うそで、やはり生活が厳しくなっています。

 トランプの目的は 2 つだけです。1つは、ノーベル平和賞をとること。2 つ目は、アメリカの大統領を3期務めること。アメリカの憲法では大統領は 3 期はできないことになっていますが、次の大統領選挙で副大統領候補として出馬し副大統領で立候補して大統領をすぐ辞任させる。そうすると、大統領にはなれないけれど大統領の権限を副大統領が代行できる。これを目指すという話もあります。プーチン方式と言います。私はアメリカもそんなに愚かではないだろうと思っていますが、アメリカはこのような状態です。

 それから中国が非常に苦しいです。中国は独裁国家です。中国の GDP 成長率は、今、3% 行くか行かないかになっています。

 政治だけではなく経済でもとんでもないことが起こり始めています。中国だけではなく、ヨーロッパでもウクライナでもそうです。

 移民なんか排除しろという政党が、フランスでもイタリアでもドイツでも強くなっています。アメリカが、実はトランプが、国連から引き上げています。そのおかげで、今、活動費が少なくなっています。

 DX、AI については、最初インプットする情報を誰が持ってくるかという問題点が出てきます。世間に流れている情報を入れただけでは勝てない。早い段階で、より正しい情報をインプットしないと機能しない。そういう意味で、しっかりやっていかなければなりません。

 仮想通貨なんて存在しません。仮想通貨を認めたら国の経済政策は成り立ちません。間違いでも分かりやすい言葉を使って誘導する事が増えてきます。なぜこんなことを言うかというと、今後の予想として、より一層ポピュリズムが台頭するからです。都合が悪くなると、極端な意見が強くなる。もっと言うと、敵を外に作らないと、国内がまとまらなくなってしまう。こういう状態になっています。そのために一層断絶社会になりますし、一層混迷します。今の世界がまさにそんな状態になっています。

 日経平均はどうなるか。4 万 4 千円ぐらいまでいくと思います。ただし、落ちるときは一気に落ちます。今、株価が上がっている理由が、お金の行き場がないことだからです。ある一定まで行くと、儲け率が下がるから、それ以上行かず、また戻るのです。

 万が一、中国が台湾に侵攻したら、日本は輸入のシーレーンが閉ざされます。自衛隊は本気で中国が台湾に侵攻する可能性が高いと思っています。台湾には真ん中に山脈があって、中国側からだけ上陸しても、東側に兵を送れないので、太平洋側から取るしかない。だから尖閣諸島とか南沙諸島が欲しい。アメリカはそれを許したくないので、いろいろやっております。そういう意味で非常に不安定な時代になりました。

 では、対策をどうしたらいいのか、間違いなくいえることは、オタオタしないことです。オタオタしないためには、どれだけ早く、どれだけ多く、どれだけ正しい情報を集められるかです。しかし、情報は、大企業の方が早いです。そうだとしたら、配当のある株をしっかり持つことです。経営者の皆さんにお願いしたいのは、この 1、2年は生き残ることを第一に考えることです。我が社をいかに生き残らせるかです。拡大と集中をどう選択するかです。生き残れば、それがチャンスです。100 のパイが 80になっても、それを取り合う会社が 10 から 5 になったら、取り分が増えます。だから生き残ることが大事です。そのための拡大と集中をしっかり自社の強みの中で選択していく、これが結論です。